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post by Fumi Michihata
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IT、ロボット化が進む米レストラン界

2018年6月29日 20:44 - Miki Michihata
 いよいよ2018年後半のスタートです。今年後半のテーマは、Food Tech. 農業技術から食品加工や調理、そして消費者の元へ届けられるまでの過程にあるフードテックについて、自分なりにまとめて見たいなと思っています。

 というわけで、何かアテがある訳でもないのですが、視察に行こうとお誘いいただき、ボストンへ来ています。歩いてみれば、いろいろと当たるもんです。ボストンへは、悲しい機内食のUAに乗り12時間、ニューアーク空港で乗り換え、ボストンへ来ましたが、ニューアーク空港内の飲食店は、テーブルサービスの店は、各席にタブレットが置かれており、注文・決済は、各席で顧客が行うというスタイル。タブレットだらけの光景にびっくりしました。メニューも多国籍言語に翻訳され、言葉の壁なくオーダーができます。
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 何より大幅なサービススタッフの人員が少なくて済みます。100席を超えるようなテーブルサービスにテイクアウト、大量の注文に応じるサービススタッフは、2名くらいのものです。人件費の削減に加え、注文ミスも減り、より正確で合理的な運営が期待できます。が、厨房の方がおいてついておらず、ハンバーガーを注文してから出てくるまで、待つこと20分! 空港という場所柄、多くの顧客が素早い提供を求めているのに、これではアカンです。
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空港内のデザイン性を高めるためか、どこの店もキッチンはめちゃくちゃ狭くて、とても大量のメニューを調理できる機能にはほど遠く、サービス部分だけを省力化したところでは、キッチンとサービス部門がバランスよく機能しなけば、計画倒れになってしまいます。

 今後、キッチンの機械化やロボット化を進めていくことが急務だなあと思っていたら、そんなタイミングで、ボストン市内でロボットが調理するファーストカジュアル店を見つけました。Washington Postの記事を読むと、MITのロボットエンジニアとミシュランスターシェフのコラボによるものとか。
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Spyceという店で、雑穀と野菜や肉類を合わせたものを、エスニック風の味付けにして食べるボウルを提供しています。材料を合わせて、チャーハンロボットのような釜で加熱して、トッピングは人が最後に仕上げて提供するというしくみです。もちろん注文はタブレットで、決済はクレジットカードかモバイルで。ロボットが動いて、材料を合わせる様が可愛らしく、女性向けのメニューなのに、機械好きの男性客が多く、ロボットが調理をする様を楽しそうに見ながら、出来上がるのを待っている顧客の顔が楽しそうで、印象的でした。
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<<メニューは、雑穀サラダみたいなものですが、、注文時名前を聞いて呼んでくれます>>

  ボストン郊外のスーパーマーケットをあちこち見ても、どこも求人情報が出ており、休日の時給は18ドルや20ドルというのが当たり前。それでも、働く人は集まらず。。。日本もどこも同じような状況です。

 先日もビッグサイトで開催されていたFOOMA(食品機械展)では、お弁当を盛りつけたり、たこ焼きを焼いたり、コーヒーを淹れたりというロボットが展示されていましたが、今後、調理の分野の機械化やロボット化の需要はますます高まります。ただし、利幅の少ないビジネス、大きな投資もしにくい飲食業では、課題はいろいろあるなあと考えます。

Spyceのことは、知人のCalifornia Poly Technology University の教授、Linchiに教えてもらいました。Thanks for Linchi! 
Washington Post の記事
この記事の執筆者:
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道畑富美
IT、ロボット化が進む米レストラン界
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