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post by Fumi Michihata
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「調理するのが面倒」から「食べるのが面倒」へ

2016年10月10日 22:37 - Miki Michihata

体育の日。ハッピーマンデーとかいう日曜と祝日をくっつける愚策により盛り上がりませんが、体育がらみのイベントがあちこちで開催されています。健康のためには運動を!でもめんどう、、簡単に健康になれたら、、しかも、おいしく食べながら、、というのは、誰しも思うこと。先日、食品開発展に行ってきました。さまざまな機能性成分を訴求するブースがでて、大手メーカーから中小企業や自治体まで、しのぎを削っておりました。


(機能性成分頼みのトクホ)

 なんとなく怪しい感のある機能性成分。美肌に、アンチエイジングに、脂肪や糖質の吸収を抑制、免疫力増進、、、など天地万能の神様のようなコピー。「ホンマに効くなら、苦労せんわ」と思いつつ、甘い言葉と日頃の不摂生への反省から、つい「効くもの」に手が伸びます。

企業側からは、一発当たれば巨大装置産業ビジネスになります。たとえば、難消化性デキストリンなどは、添加するだけで、コーラやビールまでもトクホ(特定保健用食品)に変身させてしまう魔法の成分。もちろん、製造元は、デキストリン(でんぷん)の専門メーカーで、長年の研究開発の蓄積のたまものなのでしょうけど、なんだか裏側を知るを、コンビニエンスストアの棚に並ぶトクホ製品も色あせて見えます。

国のお墨付きを得たトクホ市場、約6,400億、そして、2015年規制緩和により生まれた機能性表示食品(機能を裏付けるエビデンスがあれば企業の責任においてその機能を表示して売っていいという食品)、そして、いわゆる健康食品(なんの法的な基準もありません)全体の市場は、2兆円近くにも及ぶと言われています。まさに信じる者こそ救われる、的なものですが、おすがりするより、選ぶ目を持つことが消費者には求められます。

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<<暑い気候もあるのかな。タイでは健康、美への意識も強く、健康ジュースは人気>>


(栄養と機能は、時短で)

 トクホやサプリに限らず、必要な機能性成分や栄養をゴクリと飲むことが若い世代を中心に広がっています。今やスムージーにジュース人気、米国のミレニアル世代は、食べるより飲む。ジュース市場は、年23億ドルの伸びだそうで、コールドプレスジュースは、1億ドルの市場となっています。

 今や、シリアルを食べるのすらもめんどうと、ケロッグのような大企業でも、苦戦する時代だそうで、同社は、ニューヨークのマンハッタンにアンテナショップを出店しています。フレッシュフルーツなどとの組み合わせで、改めてバランスとれた食事をサポートするシリアル製品を見直してほしいということでしょう。

何かをしながら栄養は取りたいニーズがもっとも大きいのでしょうか。もはや機能性成分や健康食品は、時間節約型食品といえますね。

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<<イギリスマンチェスターで発見、シリアルカフェ>>

公益財団法人 日本健康・栄養食品協会 「2015年特定保健用食品の市場」

"Quenching millennials' thirst for juices, smoothies" 2016.4.16 Restaurant Hospitality

米ケロッグ NYのアンテナショップ http://kelloggsnyc.com/

シリアル苦戦の記事 Why Americans are eating less cold cereal for breakfast  Orland Sentinel 2016.10.12

この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
「調理するのが面倒」から「食べるのが面倒」へ
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