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post by Fumi Michihata
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イイトコどりの部位食とまるごと食

2020年10月31日 17:23 - Miki Michihata
 先日、京都の西、嵐山から一山超えた亀岡市にある保津町へ行ってきました。ここで、そば、藍(染料の藍)などの農産品を、何かおもろいものに変えようと企んでいる「保津こなこな研究会」のアドバイザーの役割を、今年度務めます。
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<<>亀岡駅前の「世界のさぬきうどん」にて、保津のこなこながうどんになってました。>>


 その名の通り、「粉」にして食べようという試みですが、ここ最近、野菜や果実のパウダーが、よく売れているようです。特にステイホームでパンや菓子づくりをする機会があれば増えたことも影響していますが、コロナ前から、生鮮野菜を買っても食べきれない、使いきれない、保存がきき、様々なものに混ぜやすく使い勝手のよい〇〇パウダーは、スーパーマーケットでもよく見かけるようになりました。

 「粉にして食べる」というのは、古来より調理しにくい・消化しにくいものを加工してきた歴史がありますが、現代の「粉食」は、その目的とは違ってきているように思います。それは、イイトコどりの部位食です。食べたい部分だけ、機能性のある部分だけをピックアップして食べる機会が増えているのでは、と思います。食のサプリメント化、みたいなことも起こっているように感じます。

 例えば、ひところはやったごぼう茶、これもごぼうというよりも皮の部分を乾燥して、焙煎してお茶にしたものです。また、最近は、ベジタリアン思考に、野菜のブイヨンが人気ですが、今まで廃棄された皮や芯の部分が材料であったりします。捨てるところを?と思われるかもしれませんが、捨てるところの方が、より栄養成分が含まれていたりします。食生活も変わり、加工の技術も発達し、いいところどり部分食が、知らない間に進行しています。

 一方、全体を食べようという、以前よりマクロビオティックなどで言われていた、全体食を製品にしているものもあります。ミツカンがZENBという、野菜の皮も芯も、全部を原料に、ペーストやスナックバーなどを作っていますが、めちゃくちゃ甘みがあって、美味しいです。特殊な製法らしいですが、こうやって、全体を食べ、素材そのものを食べようというスタンスもあります。
mizkan_zenb.jpg

<<写真が横向いています、ごめんなさい。これは昨年度発売時にサンプルでいただいたもの、今では、多品種展開されています。>>

 思えば、いいとこ取り食にしても、全体食にしても、捨てるところなく、使い切る発想で、サステイナビリティ発想に基づくものです。取り組む角度は違えど、食品ロスが少なくなる方向で進むことを期待します。



 
この記事の執筆者:
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道畑富美
イイトコどりの部位食とまるごと食
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