foodbiz.asia

post by Fumi Michihata
report

「アレクサ、ピザ焼いて」が現実に。スマートキッチンサミット2018から

2018年10月23日 09:10 - Miki Michihata
食とテックをテーマに、10月8、9日、シアトルで開催されたSmart Kitchen Summit(スマートキッチンサミット)2018へ参加してきました。話を聞いていただけですが、めちゃくちゃおもしろかった!です。

 情報テクノロジーを食の分野に導入することで、食料生産や加工、そして物流が大きく変わり、オンライン・オフライン、私たちの買い物の仕方も大きく変わっていきます。家庭のキッチンでも、調理や冷蔵の管理、キッチンに関わる面倒なことは、情報をAIが処理し、調理機器を動かす、あるいはロボットがすべてやってくれ、正確に美味しいもの、さらには、自分の健康状態にあったものを作ってくれる、私たちはワインでも飲みながら、料理の出来上がりを待っている、そんなSFのような世界が、現実のものとなっているという話や実物のスマート家電を2日間みっちり、聞かされ、見せられの充実の2日間でした。

(レシピは、どんな意味をもつのか)
 スマホに入ったレシピを再現して自ら火加減を調節するフライパン、食材を画像により特定し、またその厚みや大きさを測定して、火加減を調節するレンジ(つまり、数種類の異なる食材を同時に温める場合、均一に加熱できる、つまりお弁当などにバッチリ!)、同様の機能で、カーボンファイバー製の電熱とファンのコンベクションオープン。これ欲しい!と、家庭の主婦がなにで困っているかをよくわかっているなあと感心するようなものばかりです。しかも、これらが、スマホなどを介して、レシピと連動して調理してくれるというのですから、まさに未来のキッチンと感心してしまいます。

hestan_cue_smartpan.JPG
<<スマホに入ったレシピ・調理手順情報と連動して調理するhestan cue これは、欲しいかも?!>>

JUNE_smartoven.JPG
<<食材を認識して、加熱するオーブンJUNE。 Whole Foods Marketのレシピとも連動しているそうで、、食材はamazonで買え、ってことですね。>>

さらに音声で、「アレクサ、ピザ焼いて、ご飯炊いて。」なんて、技術的には、もう実現可能になっているのでしょう。となると、ありゃ、ミールキットも必要になってくるし、ますますレシピの役割は、大きなものになるなあと考えたりしました。レシピ開発と調理オペレーションの構築、まさに、私の業務の根幹となすところです。AIに負けておれません(笑)。

(新しい視点での調理家電)
日本勢も頑張っておられました。電通・デンソーチームの「寿司テレポーテーション」寿司の成分をデータ化し、離れた場所でも3Dプリンターで再構築できるというもの。さすが電通さん、プレゼンテーションがうまいです。めちゃウケてました。クックバッド、パナソニック、タイガー(魔法瓶)からも、日本の食文化を前面にオシながらの内容は、会場でもなかなかウケておりました。
ひとつ残念なのは、前述のスマート家電の技術には、BOSCH、エレクトロラックス、GEそしてサムソンなど、並み居る家電メーカーがしっかりアライアンスを組んでいます。なぜ、ここに日本のメーカーがいないの~と思ってしまいます。。

 スマートキッチン、ラクチンでいい。ただし、結局、これを動かすのは、女性。便利だけど、結局、キッチンが煩雑になって、女性に負荷がかかるよねと、女性の参加者とも話が出ていました。スマートキッチンコンセプトは、どちらかというと、メカ好き、テク好きの男子によるもの。今の時代、男女の別もないですが、やはり女性の感覚をもうちょっとくみ取ってほしい感じもします。
 最近では、アメリカの都市も家賃が高騰し、キッチンのスペースをもったいないと考える若い世代も多いそうです。全部自動化されたらちょっと寂しいし、家庭の調理は、ただ調理をして食べるではなく、食育的要素や心情的な部分も多いので複雑ではありますが、スマートキッチンの益々の進化に期待します。



この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
「アレクサ、ピザ焼いて」が現実に。スマートキッチンサミット2018から
  • 気に入ったらいいねしよう!
    FoodBiz.asiaは、広い視点でアジアの外食ビジネス情報をお届けします。