シンガポールは、ご承知のようにシンガポールの一人当たりGDPは、69,050シンガポール$だから、約5万6千US$、とっくの昔に日本よりお金持ち、世界で第8位にランクインしています。
<積み木のような建物、日本なら耐震が、、こちらもHDB>
女性の社会進出が進み、結婚もしない、子供も産まない女性が多く、合計特殊出生率も1.19と日本よりも低い値で、さぞかし世帯人員も少ないのかな~と思いきや、世帯人員数は、3.47人と意外と大家族で住んでいるではありませんか。日本の数字は、1.47、東京23区内では2を割っています。食品業界においては、1人前の惣菜や弁当が売れる、食品は少量ポーション化が進みます。シンガポールの3.5 というのは、日本の昭和40年頃の数字、経済興隆の割に、世帯人員数が多いのです。
<家具のIKEAに来るのも家族で、レストランでもいっぱい食べます>
確かに、私の数少ないですが、シンガポール人の友人も、両親と一緒に住んでいたり、あるいは近くに住んでいたりと、国土が小さいこともありますが、日本のように一世代、あるいは、二世代だけで世帯を構成することが少ないように感じます。週末のレストランを思い出してみても、大きなテーブルを家族や親類で囲んでいることを見かけます。確かに、外食も多いのですが、意外と家で食べることも多い、家で調理をしたり、ケータリングを取ったりする機会もあるようです。
家族を大事にする中国系の人々の伝統もベースにあるかもしれませんが、家族を大事にすることを推奨する住宅政策がとられています。シンガポール人の実に8割が、HDB(Housing Development Board)が提供するいわゆる公団住宅に住んでいますが、基本持ち家。購入する際には、決して一人では買えず、夫と妻、あるい親と子、兄弟と、2名の世帯主で申し込みをしないと買えないそうで、まずここからして、違います。また、申し込みから購入までの期間が長いので、彼氏彼女ができたら、まずは、HDBを申し込むことがプロポーズ代わりになっているとかいないとか。また、親世代とは別に夫婦で住む場合にも、親世代の住まいから距離に応じで、いろいろな控除があるのだということを聞きました。
<いわゆる日本でいう団地ですが、市場や商店、ホーカーがあります>
シンガポールとは、すごい国です。あんな小さな国土で、5ベッドルームとか、3ベッドルームとか、大きな分譲住宅に住んでいるのですから。確かに、皆が一人暮らししていたら住宅で埋め尽くされてしまいます。よく練られた政策、しかも時々に応じて変えていく柔軟さと迅速さ。ただ人口が少ないからうまくいっているのだ、というだけではないですね。
<調理家電や道具類の売り場がにぎやかになっています>
食のマーケットも、「家族」「自宅で」というキーワードが重要に思います。売り場では家庭で調理することを楽しむのか、調理家電や調理器具の売り場が一層、にぎやかになっていることを感じます。