3年連続、秋のルクセンブルクへ行ってきました。今回は、4年に一度開催される料理のワールドカップEXPO GAST2014(グルメ博)視察と美食の国のグルメを楽しむのが目的です。EXPOGASTとは、世界司厨士協会(WACS)加盟国が公認する五大国際料理大会のひとつです。54カ国から2,400人のシェフが集結する大会、国を代表するナショナルチーム26組、ミリタリーチーム9組、ジュニアチーム10組が腕を競い合います。各チーム、100食分のコース料理を調理し、規定の時間に始まる審査会(一般の人もチケットを購入すれば、コース料理が食べられます)に提供していきます。厨房はそれぞれの国の仕様で設営されています。中には、バス丸ごとキッチンのようなバスで乗り込むチームもあります。会場で料理をサーブするのは地元のホテルスクールの学生。慣れてないので、各国チームのデシャップもてんてこ舞いです。
<<ケータリングなどの料理のディスプレイを競うプログラムもあり、審査員が講評中>>
<<広ーい会場で、一般の人々も入場して、審査ディナーをいただきます>>
<<ディナー"食券" ICTの国、ルクセンブルクにしたらアナログ、おかげでディナーは3時間くらいかかりました!>>
<<各国チームのデシャップはこの通り、、>>
我らが試食したのは、イングランド、ハンガリー、ルーマニアでしたが、東欧組はちょっと残念。イングランドはまあまあかな、、と。イタリア、スイスなどは、さすがにレベルが高くおいしそうなメニューでしたが、試食する機会に恵まれませんでした。
しかし、和食ブームに沸く、わが日本、残念ながら予算がないとナショナルチームでの出場は見送られたようです。隣国ドイツで同様4年に一度開かれる料理オリンピックには出場して入賞の実績もありますが、日本からは、個人チームとして、金沢から日航ホテルの2名のシェフが参加しただけで、ちょっとさびしい気がします。
<<日本からは、石川県小松市商工会が、、小松市とルクセンブルクは、小松空港へLUX AIRのカーゴが飛んでいます>>
ルクセンブルクは、前にも書いた通り、金持ち、そして美食の国。ルクセンブルクのレストラン業界関係の人と話すたびに、日本食レストランを出さないの?すしは?和牛は?と興味深々に尋ねられます。ほんと、チャンスがいっぱいありそうなのですが、なじみない国のためか、日本人がシェフをつとめる日本料理店はたった2軒だけです。
パリやロンドンには、日本人のオーナーシェフの和食店がいっぱいありますが、すでに競争も激化しています。翻って、ルクセンブルクは、競合も少なく、人々の所得も高い、日本からの飲食店が出店するには非常によい立地であると思います。
一人あたりのGDPは世界一、そしてワイン、コーヒーの消費量も同様です。しかし、これには裏があって、ルクセンブルクの人口は53万人ほどですが、隣国フランス、ドイツからの通勤者がたくさんいる。昼間人口は65万人程になるといわれていて、昼間人口が生産する額、消費する額に対し、より少ない人口で割り算をしているからという背景があります。また、アルコールの課税率が低いので、隣国から買いにくるからなどなど、数字のマジックはありますが、とにかく、EUのなかでも特異な国です。現在、EU内でもルクセンブルクの企業への優遇課税を問題視する声も上がっていますが、ビジネスのしやすい、また暮らしやすい環境づくりを整備して、生産性の高い企業、人材を誘致するのに長けています。シンガポールに通じる部分もあります。
<<市内で見かけた新ブランド CATHEY GODERT ルクセンブルクを主張していますね。EUの中でもルクセンブルク人は、おとなしめの人々と言われているそうです>>