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post by Miki Michihata
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新幹線と地域振興、そして若者

2014年7月19日 21:46 - Miki Michihata
本日7月17日、上野駅で開催された福井県のPR活動にゼミの学生たちと一緒に参加してきました。2015年春に北陸新幹線の開業が予定されており、東京金沢間が2時間半で結ばれることとなります。東京方面からは、かなりアクセスの悪かった福井県は、なんとか観光客を招致しようと自治体、観光関連民間団体は一生懸命です。
 その観光誘致活動に、わがゼミの学生たちも一役買っており、この夏、JR西日本と福井県の企画する「北陸カレッジ」に参加し旅行プランなどを計画していきます。また、観光分野でインターンシップをする学生もいます。福井県に限らず、自治体や観光協会などが、学生を巻き込んで、観光振興策や地域振興を考えていこうという取り組みが、全国で盛んに行われています。
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(深刻な若者不足と観光産業)
 地域振興には、「よそ者、ばか者、若者」といった人材が必要と言われます。地域内の視点ではなく、外から見た視点、奇抜で新しい発想が不可欠ということですが、ご存じのように地方から若者がことごとく流出しています。学生を連れて、地方に行くと決まって「若い人が来てくれるだけでうれしい」という言葉をかけられるほど、若者は貴重な存在なのです。今年1月に「このまま策を打たなければ、2040年には、現在約1800ある市町村のうち、896の市町村が消滅する」という総務省のレポートは、かなりの衝撃でした。国として打つ手を考えているのかどうか、とにもかくにも女性に子供を産めと言っているだけで、抜本的な政策が立案されるようには見えません。

 工場の海外移転や公共投資の減少で、地方には雇用がない。今、地方で雇用が増えているのは、医療・介護の分野くらいです。そこで観光分野へ期待しようというところでしょう。しかしながら、観光分野で、かなりの努力が必要です。現在、国内観光市場は、22.5兆円(2012年度)と言われ、ここ数年減少傾向です。が、12年度は、前年度を少し上回りました。人口減少に伴う国民による旅行市場を縮小を海外からの観光客による支出がカバーしています。今後、訪日外国人客を増やすべく、いろいろな政策がとられていますが、昨年度は、その数1千万に達した訪日外国人による支出は、このうち、まだ1割にも満たないものです。国内観光産業の経済波及効果は、46.7兆円、雇用創出は、約400万人と観光庁では試算していますが、観光産業による効果がどれほど期待できるのか厳しいものがあります。

(交通機関に期待するもの)
 とはいえ、外国人にも、日本人にも、どんどん地方へ旅をしてほしいところです。だからこそ、新幹線への期待も高まります。しかしながら、逆に、東京への一極集中を助長するものではないかという懸念もあります。外国人観光客については、JRがジャパンレールパスという1週間から3週間、週単位で乗り放題の切符を短期滞在者に限り販売しています。例えば、7日間なら29,900円で新幹線も乗り放題というもの。だから、よく新幹線で外国人観光客を見かけるのですね、しかし、彼らも賢いです。私の友人などは、東京や京都の安宿を拠点に、広島日帰り、名古屋日帰りなんてことを平気でやってのけています。結局、東京や大都市にお金を集中させているだけです。もっとじっくりと周遊して回ることを誘導する切符にしないと、その効果も半減です。同様に、日本人が旅行する際にも言えること、どこでも日帰りできるようになったら、宿泊しない、最近は、福岡や札幌でも日帰り出張の時代です。寂しいですね。
 新幹線が開通するのは、観光市場へ及ぼす影響も期待できますが、東京への一極集中がますます助長されていくことでしょう。北陸新幹線の開業で、北陸圏も東京圏に取り込まれていくでしょう。もともと北陸圏は、関西の影響が強かったのですが、関西人としては寂しいところです。世界の都市の中でも東京への集中は、恐ろしいほどです。地方都市の活性化や首都機能の分散をする声も高いのですが、なかなか実効性あるプランがでてこないようです。

(大きすぎる若者への期待)
 観光を超えて、若者には、移住・定住を期待する声も大きく、実際に、若者の移住相談が増えているのだと聞きました。しかしながら、地方には雇用の機会は少なく、起業することも求められています。若者が移住し、活性化している事例もたくさんもありますが、若者への負担が大きいようにも感じます。
期待通り「観光→気に入って何度も行く→移住・定住」という若者に会います。ゼミの卒業生でも、インターンシップに始まって、総務省の地域おこし応援隊として地方で頑張っているのもいます。しかしながら、どうやっても収入が低い。地方だから物価も安い、だからいいでしょう、やはり、若い世代には、経済的な援助が欲しいところです。

 そして、明日から日本一人口の少ない町、山梨県早川町へ行ってきます。
 


この記事の執筆者:
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道畑美希
新幹線と地域振興、そして若者
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