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post by Miki Michihata
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上海レポート 2014.March

2014年4月13日 15:39 - Miki Michihata
成熟・多様化・激化する上海飲食マーケット、地域密着でベタに勝負!

 3月末、上海を訪れました。実に上海万博以来で、美しく整備された町にびっくりしました。観光客が集う外灘は、観光地としてもパワーアップ、さらには、向こう岸の浦東地区では、かつて世界一の高さを誇った環球金融中心をさらに超える上海中心ビルが建築中です。完成すれば、現在アジアで最も高い台北101を超え、623m、アジア一の高さになるそうです。ちなみに世界一の高層ビルは、ドバイにあるブルジュ・ハリファで160階、828mです。
20140321shanghai.jpg  【豫園周辺は整備されていて昔の面影はありません。向こうに見えるのは、浦東地区の高層ビル群】


次なる進化が求められるショッピングモール
 
 東京より物価も高い、女性もきれい、先進都市の上海では、ショッピングモールは、すでに乱立状態。2013年7月に普陀区に開業した上海月星環球港(Global Harbor)は、総建築面積48万㎡で、現在中国でナンバーワン商業施設と言われています。400店以上のブランドショップに、100店以上の飲食店他、映画館、ジムにキッズパークなど、時間消費、体験型のモールです。オープン時には、3日で50万人が来場したそうですが、訪れたときは金曜夕刻にも関わらず、空いていました。上海も日本も同様、最初は、怒涛の如くやってきて、その後は、ひっそり。。食品売場には、TESCO、日本勢は、アイリスオーヤマやスポーツ用品のゼビオも出店しています。飲食では、元気寿司、和民、鎌倉パスタなど、そしてABCクッキングスタジオも出店しています。このGlobal Harborが位置するのは、都心でなく、ベッドタウン的なところで、地下鉄3線が交差する金沙江路駅のそば、東京でいえば、北千住みたいなところでしょうか。今後、こうして郊外立地にサテライト都市が次々と開発されていくことでしょう。

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 日本人駐在員が多く住む虹橋地区で、2013年7月に開業したルイヴィトンのLVHMグループが開発した高級モール L'AVENUEには、地下は久光百貨店、エノテカ、ユーハイム、はなまるうどん、CoCo壱番屋や日比谷花壇など日本からの出店が目立ちます。、最上階のレストラン街は、鼎泰豊、上海小南国など有名店ばかりです。この近くに、高島屋が2013年9月にオープンしていますが、日本の高島屋と思っていくと、かなり差があります。サラダ惣菜のRF1もありますが、生の野菜を食べる習慣を多くの層へ広げていくには、もう少し時間がかかりそうな感じです。

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一方、いたるところで、タオバオ(淘宝)やアリババの広告が目につきましたが、今後オンラインモールとの競合も激しくなっていくことは必至です。商業施設もなお一層の進化が求められます。 

ますます多様化、細分化する食の嗜好  
 
食品小売の方を見ていきましょう。香港系のcity super は、すでに5店舗を展開。日本の明治屋や紀伊国屋のようなスーパーマーケットです。また、後発ですが、同様のcity shopは、10店舗を展開しています。外国人駐在員、富裕層に向けた品揃えと価格帯。とにかく高いものばかりですが、高級車で乗りつける顧客が大勢います。2013年秋に開業し、淮海路にできた香港系のiapmモールで、city superが開業準備中でした。このモールにはMUJIの旗艦店もあります。同じく淮海中路にあるTimes Squareという高級アパレルセレクトデパートの地下にcity superは入店していますが、食品というより、ファッションとしての食を売っているという感じです。
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 90年代より日本人が多く住む虹橋地区にあるカルフール古北店を定点観測的に見ています。以前は、肉も魚も、ほとんどパック詰されることなく販売されていましたが、今では、肉売り場を例にとれば、パック詰めが主流で、従来型の注文を受けてから捌く方式はもちろん、欧米サイズくらいの大きなブロックから日本流の薄く食べやすいカットの仕方まで、販売方法も多種多様。生鮮品他、とにかく多様化しています。伝統的な中国料理も広い国土ゆえの無限のバラエティ、加えて、欧米、アジアの外来のものが入ってくるので、天文学的SKUの様相です。

carefour1.jpg            【カルフールの生鮮市場、来るたびに、品目が増えていきます】

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          【高層ビルに隣接して残る生鮮市場 上海人の活気は、食が源です】



ローカルで、ローカルに徹する外食ブランドが強い!

 市場を同様、ますます多様化が進みます。元来、多種多様な中国料理に加え、イタリア、韓国、タイ料理の台頭も目覚ましいものがあります。確かに、日本発ブランドも外食店も人気はあるものも、なんとなく他に比べると、どうもおとなしい感じがします。  注目の日本発ブランド その中でも、サイゼリヤには、気迫が感じられます。同社は2003年に上海に1号店に出店、出だしはよくなかったそうですが、価格を思い切って落として、それから調子づき、今では、上海に58店、広州55店、北京29店と精力的に展開をしています。一等地ではない立地、地域密着で、ドリンクバーや安価なメニューが上海の若者を惹きつけているようです。もうひとつ、今後が楽しみな業態は、物語コーポレーションの「鍋源」です。鍋と寿司が食べ放題を118元(日本円で2000円を少し超える程度)で提供しています。タイの「Oishi 」みたいな業態です。この価格ですしの食べ放題は上海にはなく、地元の人はじめ観光客にも大人気ということです。2012年秋に1号店を、2013年秋には、東京で言えば、銀座や上野のような南京東路の商業施設に2号店を出店し、これからの展開に期待がもてます。 上海の外食市場も過当競争の時代に入り、日本発のブランドだから試してみようという時代でもなりました。上海の地で戦うという覚悟が必要、もはや各社、多店舗展開のステージに上っているのです。いかにローカル市場に訴求できるかがカギとなっています。 

saizeriya2.jpg           【サイゼリヤ 北渔路店】
  
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                   【鍋源 南京東路店】

 参考:みずほ銀行 MIZUHO China Monthly2014年1月号 
          株式会社サイゼリヤ 第41期年次報告書 2013年11月   

この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑美希
上海レポート 2014.March
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