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post by Fumi Michihata
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「役に立つ」か?無印良品の冷凍食品

2018年9月30日 16:42 - Miki Michihata
 無印良品から冷凍食品が発売されました。無印良品らしく①化学調味料や合成着色料を使用しない ②中身の見えるシンプルパッケージ そして③毎日の食卓に使える品揃え、というコンセプトです。
東京では、イオンレイクタウン内の無印良品で、全店に先駆けて発売されるということで、買ってきました。食品カテゴリーでは、菓子やスナックだけでなく、カレーやスープなど、惣菜となるレトルト食品の種類も増えていますね。無印良品の冷凍食品と聞いて、どんな商品が出てくるのかなと楽しみにしていました。

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<<キッチン用品売り場の奥にある冷凍食品のケース>>
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<<保冷剤とスチロール製のシートで包んでくれるので保冷効果あります。>>

 色合い的には、、無印らしく、ちょっと地味目のものばかりですが、
(1)素材を活かしたお惣菜
(2)日本の飲茶(餃子・焼売とだんご)
(3)素材を生かした世界のごはん(おむすび、いなりずし、リゾット)
(4)世界の煮込み(肉じゃが、洋風やエスニックの煮込み)
(5)焼き立てのおいしさ(パン)

 と、5つのカテゴリーを分けています。素材を生かした和の惣菜のカテゴリーがもっとも品数が多く、きんぴら、和え物、煮物など15種類、いずれも2人前くらいのボリュームで390円(税込)です。おむすびも雑穀などをつかったものが、8ケ入りでそのまま袋にがさっと入って450円(税込)や餃子や焼売も丁寧な包装なくガサッっと入っています。NB商品の過剰気味包装とは異なり、無印良品らしい商品です。
 シャルキュトリーコダマ製のバゲットサンドやマフィンのサンドもおもしろいです。
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<<野菜の食感は冷凍だけにむずかしい、味はやさしいです>>

さっそく肉じゃが、おいなりさんと蓮根きんぴらを食べてみしたが、お味は優しく、まあそれなり。値段も手ごろでよいかなあと思います。ただ、無印良品の店舗で冷凍食品を買って帰るのは、ちょっと違うかなあと思います。青山や麻布でピカールの冷凍食品を買うのと同じ。近くに住んでいるお客様にはいいですが、遠くから来ている人には、宅配や通販で購入する必要があるのかなと、少し不便さも感じます。

 ちょうど「セゾン 堤清二が見た未来」という本を読んでいます。無印良品を生んだセゾングループの堤清二さんを、日経新聞でセゾンを担当されていた方が書いた本。無印良品の生まれた経緯が書かれていて、「ブランドを否定する無印良品がブランドになっちゃいけない」という矛盾といつも格闘しているという話が書かれています。ちょうど一年前くらいに無印良品を運営する株式会社良品計画の金井政明会長の講演を聞きましたが、会社の大戦略は、「役に立つ」であると、簡素で美しい、感じの良いくらしを実現するのだとお話しされていました。もっと深い含蓄あるお話がいっぱい伺ったのですが、また別の機会にするとして。(同社のサイトにも金井会長の対談が載っています)小売業ではあるのですが、ほかの流通業と違って、がつがつしてない感じが今の若い世代にも支持されるのか、実は、私も所属した会社として最初で最後がセゾングループだけになんとなく親近感を感じています。
そして、今や海外にある店舗数が、国内にある店舗を超えたMUJI。冷凍食品もどうなっていくか楽しみに見ています。

この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
「役に立つ」か?無印良品の冷凍食品
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